著者:市原千佳子
著者第4詩集。
市原千佳子は沖縄の池間島に生まれ、長じてはながく東京に住んだが、いま池間島に住む。島の自然では、詩人の感覚で日常に宇宙を呼吸する。宇宙をみちづれに詩人/女が哭いたら、澄みきった言葉たちが絢爛たるイメージで生と死を結びつけた。(大城立裕・本書「帯文」より)レントゲンに映る 宇宙まみれの版画は 一人っきりの宙吊りのようで 人生とは 宙吊りの死に向かうものなのか すでに化石のような頭蓋の 臨終をひとつ 頭上に 「泣き頭蓋」より人の一生では そんなに遠くまでは行けない生と死は そう離れてはいないとでもいうように生家と墓地はとても近い 「幻島記」より
旧商品コード:tsukisirube